汐子を〆ました、二晩寝かせて食べ頃の魚
２日続けて忙しく過ごさせて頂きました
本日のお魚は氷温にしっかり寝かされた
魚と今日のために昨夜活〆した汐子です
🐟️🐟️本日のお魚🐟️🐟️
🐟️活〆大勘八～熟成中、お刺身にどうぞ
🐟️活〆大宗田かつおもあぶらが有って
真っ赤な身色お刺身です
🐟️活〆ひらめ～お刺身用
🐟️活〆汐子～活〆後 丁度の時間こり
ごり感をお楽しみください
🐟️鯵～お刺身用
🐟️太刀魚～塩焼き
🐟️わらさ～お刺身、切身
などなど
🐟️お刺身盛り合わせ造ります🐟️
お電話ください、ご希望により何なり
と 調製致します
１３時迄にご予約くださいました
方へ当店の金券を差し上げます
ご来店の際にお声かけをお願い致します
１１時に開店致します
１８時まで営業致します
お電話は何時でもお受け致します
よろしくお願い致します
店主の独り言
昨日の独り言は、魚が獲れなくなった
寂しさで終わりました
しかし、
私の人生のスタートは、想像を絶する
大漁を目の当たりにする事に始まり
ました
何ケ月か前５歳の私が、近所の網元か
ら背丈より大きな鰤を貰った事を書き
ましたが、その大漁は不漁につぐ不漁
の後に突然訪れました
網元は、不漁の為に乗り子の給金が払え
ず、困窮していました
千葉銀行千倉支店に融資を頼んでも断ら
れ、千葉市の本店まで交渉に行きました
その日の朝の揚網も空でした
空網を見て千葉行きの汽車に乗りました
俠客肌の網元には厳しい心境だったと
想像します
お昼前に本店に着き交渉しましたが決裂
やむなく帰途についたといいます
浜では何時もの様に乗り子に昼飯を食べ
させ、夕網を起こしに出港させました
当時は、
陸と船の通信手段はなく、出港後は陸上
備え付けの軍払い下げの大型双眼鏡で
船の動きを見守ります
網起こしを始めた乗り子の動きが活発に
なったと思いきや、網船３隻からそれ
ぞれまね（大漁旗）が上がりました
１本のまねは、
「本船は満船なり」
の表示、即ち３隻が満船すると言う連絡
です
網船を曳いて行った曳きボート
（曳き船）から黒い排気が上がりました
～急激な行動を起こした証拠
曳きボートは、全速で単船帰港態勢です
網の中は鰤で一杯で沖の船には積みきれ
ず港に有る予備船を迎えに来たのです
陸では、諦めの心境でいた中での突然の
大漁の動き❗️
まず、
陸回り（陸上作業員）総出で予備船を
送り出します、曳きボートの船長の話
しでは予備船をもっても積みきれないと
の事、
後は網を持ったままで、積んだ船を通わ
せるしかありません
夕網ですから日暮れ迄時間がありま
せん❗️
人手が足りません❗️
部落中に
「手の空いている人は浜へ来てください
」とじんぶれ（各戸順番に伝言を伝える）
が出される❗️
手持ちの大型トラックを製氷工場に向け
氷を運び込む❗️
倉庫から魚箱を出し詰める準備❗️
の出港準備❗️
慌ただしくも確実に進んだといいます
網元のかみさん、かみさんの兄の段取り
は確実だったのでしょう
現場指揮者～網元の甥子にはもう一つ
大事な仕事がありました
千葉銀行本店に出掛けた網元への大漁の
連絡です
千歳郵便局へ千葉銀行本店宛特急報を
申し込みましたが、電話が繋がった時
には話しが決裂して帰った後
甥子の専務は、
国鉄専用電話を千葉駅にかけてもらい
千葉駅に居るやもしれない網元を呼び
出しましたが繋がらなかったそうです
網元不在のまま、網元は知らぬままで
大漁の鰤は水揚げされ、運搬船に積まれ
て行きました
夕方、
中折れ帽を被り、オーバーコートを羽織
って千歳駅に降り立った網元は重い足ど
りで家路についたといいます
通常なら自宅までの途中にある生家に
寄る事が習わしなのにひたすら自宅へ
重い足を進めた網元は、
途中で幼なじみの女の人に声をかけられ
ます
「おめえ、いいやんべだで」
大漁を知らない網元は
「あのう、このおんなご、あんがいい
あんべえだ」
と鋭い目で睨むと、女の人は
「あんだえ、おめえはあの大漁知らねん
かい、まね５本も立ったて言うよお、
おらがあねえは呼ばれて浜へ行ったあよ」
といいます
これで事態を知った網元は、革靴のまま
駆け出し、自宅にも寄らず浜まで駆けた
そうです
女中が持って来た長靴に履き替え、背広
はそのままに
浜の焚き火を背に水揚げと積込を無言
で見詰めていたといいます
翌日は、築地市場には、やまたの鰤が
溢れ大変な売り上げになりました
築地市場の卸売り会社に特段に頼み
売り上げ金を即日電信送金してもらい
乗り子の給金を支払ったそうです
それから来る日も来る日も大漁が続きま
した
私が、鰤を貰ったのはその大漁の日の
一齣でした
その直後、網元は、
千葉県一番と言われる冷凍工場を
４０００万円かけて竣工していますが、
一連の大漁の売り上げで楽々賄ったと言
われます
５歳の私は、親父からこの話しを飽きる
ほどに聞かされました
親父は３６歳、
３３歳で当時の千倉としては大きな漁船
の経営に乗り出し、直後に台風により港
の中で沈めてしまい意気消沈する自分を
鼓舞する為に５歳の我が子に網元の
再起劇を聞かせたのでしょう
私は、真剣に親父の再起だけを考えて来
ましたが、自らが挫折して朽ちようと
しています
それでも、誰でもいいから
漁業を繋げて欲しい思いで一杯です
房州は三方を海に面し漁業こそ
最大の産業です
