秋刀魚の漁場変化は40年昔の鯖に見えていた
11月に入り冬海の水温11度台
北緯43度東経154度付近の北洋で
秋刀魚漁場が見えました
1航海6500万円と言う途方もない水揚げ
をする船が現れました
時速16マイルの速力を出せる新鋭船だから
低気圧通過の合間をぬって行ける海域です
昭和時代の船ではとても無理な運航
現代の運航技能の成せる技とは思いますが
くれぐれもも生命確保には留意して欲しい
ものです
今年の秋刀魚漁はここまで数量を減らすとは
思いませんでしたが、沿岸域を南下する群は
全く見られていません
昭和57年の伊豆諸島海域への真鯖群来遊
皆無の状況を当てはめるなら、理解出来る
場面もありましょうか
1、資源量の減少
2、海況の変化
この二つが複合的に作用した時
57年の伊豆諸島海域の真鯖漁獲皆無
令和3年の秋刀魚群の沿岸域への来遊皆無
の現象を起こす
回遊ルートに影響を及ぼす海況の変化は
いまだ、究明されていない
どこに原因が?、早急な研究体制の確立が
求められます
資源量が一定水準あれば海況に不満があって
も漁獲は叶いましょう
今年の鰹漁が証明しています
東経150度付近の沖合域と極近海、沿岸域
の両方でそこそこの漁がありました
2群以上の鰹群が存在した証拠です
しかし、この鰹群とて絶対的大群では
ありません
漁獲量に大きなむらがあります
1人乗りの曳縄釣り船が600kgの大漁
20数人乗りの150トンの一本釣り船が
2、5トン
19tの一本釣り船が13トン
昨日の漁獲実績です
一本釣り船は同じ会社の船です
情報は共有していたはずです
なのに漁獲にむらが出ています
絶対的資源量がまだ不足と思われます
魚種によらず、
過去の大漁は、海況の好転により2群以上
の群が併合して漁獲し易い海域に来遊した
結果起きていたのではないか
例えば、昭和48年の秋刀魚の超大漁
当時は、組織的な漁期前調査は、沿岸近海
域でしか行われておらず、絶対的大不漁が
伝えられていたが、解禁になると満船に次ぐ
満船、50万トンを超す超大漁となった
これは、資源量僅かの沿岸近海域秋刀魚群と
北洋からの群が千島列島南部海域で合体して
沿岸域を南下した、と理解すれば納得
出来ます
昭和46年秋刀魚は大不漁だった
9月半ばには終漁になってしまった
(この前例が昭和48年の大不漁予測の前提
でした)
北洋からの合体が無かった故と考えれば
容易に理解出来ます
昭和52年の伊豆大室出し海域での真鯖の
大漁も資源量に関わりなく、海況により
狭い大室出し海域に魚群が集中出来る海況が
1~5月まで長期間継続した、と考えれば
理解し易い
しかし、大漁があれば海況によらず、資源量
が肥大化したと錯覚しがちです
ここいらも、しっかりとした研究機関による
継続研究が必要な由縁です
今のところ、人間には海況を左右する事は
出来ませんが、漁獲量を調整して資源を
継続させる事は、ある程度可能です
獲る側も、扱う業者は当然のごとく、
食べる方々にも考えて頂きたい課題です