秋刀魚浮上せず
秋刀魚漁の肥やしとも言うべき大型の台風
が北東進したのに上向いていた漁模様は
台風通過後一気にしぼんでしまいました
ただ、探索姿勢は旺盛です
先月２９日のブログで、
２９日に三陸に水揚げした秋刀魚船は
気仙沼湾奥深くに避難して台風の通過を
待つでしょうと書きましたがさにあらず
２９日水揚げ 直後に出港、台風が秋刀魚
漁場を荒らす前の一晩足らずを働こうと
目論みました
残念ながら漁獲に至らず、台風襲来の余波
を強く受ける海を花咲港向け避難、港内状況
も悪いため接岸出来ず、港内に投錨仮泊して
二晩過ごし、３日早朝出港、４日～７日まで
４晩探索するも漁獲僅かで花咲に帰港
しました
明日明後日と寒冷前線の通過で漁場が時化る
事を承知で水揚げ終わり次第に今日も出港
して行くでしょう
なんとか新しい漁場を見つけたもらいたい
ものです
さて、
根室半島から東沖の公海と言う秋刀魚漁場を
目指す場合、出港直後にロシアの主張する
北方四島を基点とするロシアの排他的経済
水域に入ります
このロシアの主張する排他的経済水域を通過
するにも、割当てられた秋刀魚を漁獲するに
しても、花咲港を出港して１時間半程走った
海上に存在するロシアの監視船に申告しなけ
ればなりません
ロシア監視船から疑われれば臨検を受ける
事となります
ロシアの公権力を持つ取締官が日本の漁船
に乗り込んで調べられます
場合 、監視船への申告を回避するには
根室半島から南東に２００海里北東へ２００
海里と都合約４００海里を走らねばなりま
せん
時間と燃油代を考慮するならロシアの主張
をのむしかないのです
ロシアが不法占拠しているのは、千島列島
につながる４つの島だけではありません
北方四島とこの島々を基点とする広い豊かな
海域も含まれています
他方１６号台風の通過に伴い、中国等の
大型秋刀魚漁船は、北海道襟裳岬沖へ
台風避難したそうです
もちろん、国際協約で船体人命に関わる危険
が迫った場合緊急入域は認められることに
なっています
が、日本外務省、海上保安庁への適切な
手続きが確実に行われたか疑問です
本来、
日本漁船と外国漁船の間に国際的取り扱い
に不平等があってはなりません、この
不平等が日本側官憲の怠慢により惹起されて
いる可能性も否定出来ない事は残念です
秋刀魚は不漁による漁獲減少のみならず
ロシアとの軋轢によっても大きな潜在負担
を抱えています
戦後７６年を経ても末端の国民がこの様な
困難を抱えている事は、日本の政治外交が
三等国の域にある証左でありましょう
