環境配慮「不便」も必要
一昨日の読売新聞の投書欄「気流」の記事です
療養中の奥さんに代わり家事をする中で
ごみ出しに行くと段ボールごみが異常に多い
ことに驚いた
通販容器の段ボールらしく、通販だけに頼ら
ず買い物に足を運ぶ大切さを考えさせられた
と結んでいます
この記事を読んで私が魚屋になりたての頃
昭和40年代の魚の容器について思い出して
みました
産地房州は、東京市場(築地、足立~千住)
側から見ると「近海」と言う区分です
近海の荷主(出荷人)は出荷するに当たり
容器は
鮮魚は、10貫目(37、5kg)入り木樽
鮪、かじき類は厚い板で作った木箱
と決まっていました
樽は、大型トラック(6t、8t)なら100
~120樽
運搬船(買丸~けいまると言った)なら
250樽を積んで運びました
これらの容器は全て原則「通い容器」だった
のです
樽に入った鮮魚を競り落とした(買受けた)
市場の仲買人は、自分の店舗に運ばれた樽
はそこで空けて捨て置かなければなりません
中の魚は、仲買人店舗に買い出しに来た
料理屋さんの小僧さんの担ぐブリキの箱に
入れらて、又は小売り屋さんの容器に入れら
れて場外へ運ばれました
捨て置かなけれた樽は、仲買人の営業終了
時刻になると回収業者が巡回して回収し
荷主別に仕訳して保管します
運搬船が築地又は千住市場の桟橋に荷を積んで
着くと帰り船に積んで返送します
トラック便の荷主は保管場所で返却を受け
ました
回収率は、有名荷主で60%台
名の無い荷主なら80%以上
ブランド品は樽ごと闇での場外持ち出しが
あった為です
鮪の箱は100%近い回収率でした
回収返却手数料は荷主の負担ですが、樽の
製造単価が1樽700円~1000円位の時
50円位でしたからバランスのとれた循環が
成立していました
仲買人店舗での入れ替えの手間はかかります
が、容器資源を大切にする見地からは意義
あるシステムでした
昭和50年代以降出荷容器はスチロール箱に
替わり使い捨てとなりました
製造にCO2を使い、廃棄するにCO2を使う
温暖化の大きな犯人です
先日お子さまを3人お連れの若いお母さんが
買い物に来てくれました
スチロールトレイに魚を載せると「駄目」と
の事、「新聞紙にくるんでくれたら良い」
とのお話しに躊躇していると持ち合わせの
お弁当箱を出されて入れて行かれました
教えられるところ多々ありました
当店もお買い物袋や通い容器をお客様の
ご意向を伺いながら考えていきます
トレイも木質系の物を10年以上前から
考えてはいますが、10倍以上の値段が最大
の障害です