秋刀魚の資源量回復に期待
常磐沖から房総沖海域では、昨年晩秋から真いわ
し、真鯖のややまとまった漁獲が続いています
先端の群は2月前半に産卵域の遠州灘沖に達し、1
群1000トン規模のやや大きな群を構成していま
す
銚子沖には、鯖の1、2才魚が群をなしています
このように広い範囲に鯖の群が存在する事は、鯖資
源が膨らんでいる証左でしょう
日本列島東岸の北部海区(概ね伊豆諸島中部から北
の海域)で100万トンもの鯖が盛んに漁獲された
昭和50年代の後急速に資源量が減り、獲り尽くし
た旋網漁船団の倒産が続き、昭和時代末110ケ統
あった船団は4分の1にまで減りました
漁獲努力の減退と水産庁の漁獲規制によって、何よ
りも産卵環境の好転と相まって、真鯖資源量は、伊
豆諸島の産卵海域から鹿島沖まで広く分布するまで
に回復してきています
真いわし資源も全く同じ事、先の大戦中漁獲努力が
無かったにも関わらず、戦後「幻の七つ星」と言わ
れるまで減り、昭和40年代半ば東京湾口で獲れ始
めたのをかわぎりに、生息圏を道東沖にまで広げ旋
網船団の漁獲対象になりましたが、年間200万ト
ン近い水揚げを頂点に急速に資源量を減らし始めた
時期は鯖の減少時期の数年前でした
真いわしの戦後の減少は、単純に産卵環境の悪化で
あり、昭和時代末の減少は、漁獲努力の増大と産卵
環境の悪化でしょう
ところで、この海域の秋刀魚と鯖、真いわしの資源
量の増減には相関関係が有ると言われてきました
それぞれの資源量増減に何十年周期説ありと盛んに
言われた事もありました
それは、産卵海域が熊野灘沖から伊豆諸島海域の同
じ場所であり、時期もやや同じだと言うことからで
す
秋刀魚、真いわし、真鯖の順で産卵期を順調に迎え
てくれればよろしいのですが、1種が早まったり遅
れてたりすると、秋刀魚の卵が真いわしの稚魚の餌
になってしまう危険が生じます
海の中の事は解らない事だらけ、真鯖真いわし資源
量は回復しています
残す秋刀魚の資源量回復のきっかけは何か
周期説の到来を待つ、戦後70年の間にも何回もの
浮き沈みがありました
特に劇的な年は、昭和48年です
それまで数年大不漁が続きました、当時の東北区水
研は「これまで以上の不漁」と予報していましたが
解禁になると全船萬船の朗報が入電し、漁期終了ま
で大漁にわきました
9000万円で新船を建造して出漁した船の5ケ月
の水揚げ金額が2億円と言う途方もない大漁に化け
ました
今年の産卵が順調に終わったことを期待します
秋刀魚の産卵孵化が順調なら5月には北上期の秋刀
魚の新子が10センチ位に育って房州の定置網に入
網するかも、期待して待ちます
秋刀魚の資源量回復あれ
直売所千倉は12時開店です